銀座六丁目数寄屋橋通りの近くの小道にある、スタンディングビアバーPILSEN ALLEY。
こちらのお店は「ピルスナーウルケル」「スーパードライ」の2種類のビールのみを提供し、それぞれ3種類の注ぎ方が選べるシステム。
流行りのクラフトビール屋さんとは一線を介し、本当に美味しい正統派のビールが飲めるということで評判になっています。
今回の食レポは、こちらのピルゼンアレイへ行ってみましょう!
ピルゼンアレイのオーナー佐藤裕介氏とは?
さてやって参りました、ピルゼンアレイ。
店内は10名くらいが入れる広さでスタンディング席のみ、いつも常連さんたちで賑わっているアットホームなお店です。
本日はご不在でしたが、
オーナーの佐藤裕介氏はピルスナーウルケル社認定、日本人初のタップスター(公認バーテンダー)。
新橋にある超有名ビアバー「DRY DOG」の初代店長も務め、ビールの注ぎ手名人として話題になっている方です。
佐藤氏は常時このお店にいるわけではありません。今は女性のマスターが担当されてらっしゃるようですね。
柴田書店MOOKの雑誌「居酒屋2018」にも掲載されていましたが、ビールは注ぎ手にもフォーカスされるようになってきたと筆者は感じております。
そもそもピルスナーウルケルってなに?
ピルスナーウルケルとは、チェコのピルゼンで1842年から製造されている世界最古のピルスナービールです。
苦味と甘みが絶妙なバランス、コクとしっかりとしたホップの苦味を楽しめる味わいでジャブジャブ飲めちゃいます。
[chat face="完成2-1.jpg" name="小川フクロウ" align="left" border="blue" bg="none"]もやしもん(漫画)8巻にウルケルが出て以来、ずっと憧れを持っていたんだよね。 [/chat]
チェコのプラハ旧市街にある「黄金の虎」というビアホールで注がれるウルケル。
ジョッキを氷水の中につけておいて、ザバっと取り出し、そのままビールを注ぐ豪快なスタイルが最高です。
お昼からビールの聖地、U Zlateho Tygra(ウ・ズラテホ・ティグラ)に行くのでテンションやばい
— わたとし (@Watatoshio) 2017年9月17日
もやしもん8巻をみたときからここのピルスナーウルケルは飲まなきゃ!!って思ってたんだ pic.twitter.com/hEl7xSXYKy
世界一美味しくピルスナーウルケルを飲ませてくれる事で有名なプラハの「U Zlateho Tygra(金の虎)」に来ました(^^)
— うみのき (@EnologoCantina) 2018年12月22日
もやしもんでも紹介されてましたね
!
ここに来るためにプラハに来たと行っても過言ではない!
柔らかで麦のふくよかな甘味を感じるウルケルは幾らでも飲めてしまいそう…
幸せです… pic.twitter.com/k5KGVCW5Ua
ピルスナーウルケルをジャブジャブ飲むぞ!
真面目に語るのはこの辺にしまして、もう飲んじゃいます。
早速一杯目は、ピルスナーウルケルでいきましょう。
注ぎ方は3種類ありますね、今回はどうしましょうか。
(最近目が悪いんだよな...)
「きゅうりの一本!そいつをよこせ!」
違いますよね。
ひとまず2番のハラディンカでいきましょう。
別日に撮った写真ですが、グラスはビールを注ぐ直前まで氷水で冷やしてあります。
一般的には、グラスは自然乾燥させてからビールを注ぐように推奨されています。
しかし、水気のあるジョッキ(グラス)を使うことで、水分の皮膜がグラスの摩擦力を下げ、キメの細かい泡が生まれるのだとか。(もやしもん8巻より)
きました...!めちゃめちゃ丁寧に注がれた一杯です。
うん、やっぱり最高に美味い。
ほどよい炭酸感と、繊細でふわふわな泡。ふわっと香るウルケル特有のさわやかな香りがたまりません。
この分厚いウルケル専用グラスも、無骨な質感がまたいいんですよね。
さて、先ほどウルケルの注ぎ方は3種類あるという話をしましたね。
・ナドバクラット
ビールを注いだあとに炭酸を足す、世界的にもっとも親しまれている注ぎ方です。
炭酸が強く、食事との相性も良し。
・ハラディンカ(おすすめ)
伝統的なチェコの注ぎ方で、先に泡を入れその下にビールを注ぎます。
ナドバクラットより炭酸が弱めで、ゆっくり味わえる。
・ミルコ
泡だけを楽しむピルスナーウルケルならではの飲み方です。
食事のあとなどにおすすめ。
注ぎ方の実演動画を探してきました。
かなりコアなので誰が見るのかわかりませんが、よかったらどうぞ!
スーパードライって、あのスーパードライでしょ?
初めて飲んだ時に、かなりの衝撃を受けたこの「ただのスーパードライ」。
[chat face="完成2-1.jpg" name="小川フクロウ" align="left" border="blue" bg="none"]おかげさまで適当に注がれたビールは飲めなくなったんだよね! [/chat]
ちなみに、ピルスナーウルケルはアサヒが2018年販売を始めたのですが、それまでピルゼンアレイのメニューはスーパードライだけだったそうです。
佐藤氏にお話を伺ったところ、スーパードライのようなキリッとした辛口のビールは、ちょっとしたことをきっちり守ってあげることで味に違いが出やすいのだとか。
こちらも注ぎ方は3種類、シャープ注ぎ、サトウ注ぎ、マツオ注ぎ。
・シャープ注ぎ
泡だて立て無いよう、グラスの7割ほどをビールで満たしきめ細かいトロトロの泡で蓋をします。クリーミー。
・サトウ注ぎ
チェコ・ボヘミア流。泡だてながら適度に炭酸ガスを抜き一気に注ぎあげる、アレイのスタンダート。
・マツオ注ぎ
しっかりと泡だててから、じっくりと時間をかけて仕上げる二度注ぎ。「ビアライゼ'98」の松尾師匠に倣って。
今回はあえて、誰でも違いがわかる「シャープ注ぎ」でいきましょう。
[chat face="完成2-1.jpg" name="小川フクロウ" align="left" border="blue" bg="none"]口触りが最高にクリーミーで、嫌な苦味が全く感じられない! [/chat]
後からスーパードライのほど良い苦い味がやってきて、ビールの良さをしっかり主張していきます。
「ビールが苦手」という方に是非飲んでもらいたい一杯です。
筆者はクラフトビールも大好きですが、最近は「大手メーカーが出しているどこにでもあるビール」にも注目しています。
良くも悪くも「管理の仕方」「注ぎ方」次第で、ビールの味わいは全くといっていいほど変わってしまう。
「ビールは居酒屋でとりあえず一杯目に飲むもの」
そんな味とは関係の無いポジションになってしまっていることが、少しだけもったいないなと感じています。
ずっと昔から歴史を紡いできたビールには、飲まれ続ける理由がある。
こうした日本伝統のビールの「本当の美味しさ」を引き出してくれるお店が増えていくといいですね。
以上、銀座ピルゼンアレイで飲んだ、最高の正統派ピルスナーのレポートでした。
頻繁に伺ってるので、お会いしたら一緒に飲みましょう!最後までお読みいただき、ありがとうございました。